秘密のデータや資産でトラブル増加!デジタル遺品整理はどうする?

自分の死後、残された家族が遺品整理や財産分与などでトラブルにならないように、持ち物や財産をどのようにしてほしいか記しておくのがエンディングノートです。終活ブームで、自分の死と向かい合う人が増えています。また、家族に知られたくない秘密がある場合もあり、生前に整理しておくことが大切です。
大切な人を失う悲しみの中、遺品からとんでもないものが出てくるという話も、今では珍しくなくなりました。家族としては、いつまでも故人との温かい思い出だけを持ち続けていたいはずです。
近年ではデジタル化が進み、スマートフォンやパソコンが普及しています。高齢者の方も自在に操り、気軽に写真・動画撮影ができますし、インターネットサイト閲覧も簡単ですよね。
遺品整理は持ち物や財産に限らず、デジタルコンテンツにまで範囲を広げ、デジタル遺品整理と呼ばれるようになりました。スマートフォンやパソコンには個人情報が詰まっており、隠し口座が見つかることも少なくありません。
トラブルになることも多いデジタル遺品についてご紹介します。

  1. デジタル遺品とは? 
  2. デジタル遺品トラブル
  3. 生前整理の必要性
  4. まとめ

1.デジタル遺品とは?

遺品整理のために部屋の掃除を業者に依頼することは一般的になりました。しかし、最近では故人の所有していたスマートフォンやパソコンのデータや、インターネット上の個人情報などのデジタル遺品にも注目が集まっています。

1-1.写真や動画

誰でもスマートフォンやパソコンを持てるようになり、写真や動画の中には秘密にしておきたいものもたくさん隠されているはずです。実直で真面目な故人のデジタル遺品の中から、まさかと思うようなデータが発見されることもあり、遺族がショックを受けてしまうこともあります。
家族と写っている写真や、故人がひた隠しにしてきた趣味などが発見されることもあるでしょう。生前のイメージと懸け離れたものが見つかったときは、遺族は戸惑ってしまうことが多いものです。

1-2.有価証券や株式

通帳が不要なインターネットバンキングで隠し口座を持ってケースも増加。有価証券や株式もデジタル化により、実際に証券を持たなくても資産運用できる時代になっています。
遺産トラブルに発展するケースも少なくありません。インターネットバンキングなどはパスワードが必要ですので、わからなくて開くこともできずに困ってしまう遺族も多いものです。
遺族にとってショックなデジタル遺品は、故人にとっても見られたくない遺品。どうしても見られたくないものは、生前に処分しておくべきですよね。
故人が取り引きで負債を背負っているケースもあり、デジタル遺品の中から多額の借金が見つかることもあります。
遺産分配を終えてから資産価値のあるデジタル遺品が見つかると、親族間で再び遺産争いに発展してしまうこともあるでしょう。

1-3.アカウント

FacwebookやTwitterなどのSNSを使っている人も増えています。ブログなどで日記をつけているケースもあるでしょう。アカウントがわかれば、削除するべきです。SNSで親交のあった方には、故人が亡くなったことを伝えてあげるといいでしょう。
アカウントをそのまま残しておく場合もありますが、不正利用されることも懸念されるため、削除する方が安心です。
有料コンテンツを利用していた場合、退会手続きをしないと料金を徴収され続けてしまいます。手間や時間はかかっても、無駄な費用を支払わないためにも解約手続きをするようにしましょう。

2.デジタル遺品トラブル

故人の秘密や個人情報が詰まったデジタル遺品は、まれにトラブルに発展することもあります。パスワードがないと見ることができないものもあり、遺族にとっては悩ましい問題の1つです。
とんでもない趣味が見つかり、遺族が絶望してしまうケースも起こっています。
実際にはどのようなトラブルがあるのでしょうか? 

2-1.インターネット経由の資産はわかりにくい

故人がインターネットバンキングや有価証券などを所有していた場合、家族には秘密で取り引きしていることもあります。資産がインターネット経由で残されていると、発見しにくく放置されてしまうデメリットも。
また、FXなどで資産運用していた場合、負債が発覚して遺族に動揺を与えてしまう恐れもあります。故人の死から長い時間が経過してからインターネット経由で資産が発見され、遺産相続のトラブルが多くなっているのも現状です。

2-2.パスワードがわからない

スマートフォンやパソコンを開くためには、パスワードが必要です。遺族がパスワードを知らず、開けなくて処理に悩んでしまうこともあります。
デジタル遺品を整理したいが、処分していいものかどうかの判別も難しいはずです。

2-3.アカウントの悪用

インターネットのアカウントをそのまま放置し、見知らぬ人に乗っ取られてしまう被害も相次いでいます。悪用され、故人の名誉に傷つけられてしまう可能性も少なくありません。
1度汚名を着せられてしまうと、噂(うわさ)はどんどん広まってしまい、火消しが難しいものです。
また、アカウントの悪用がきっかけで、SNSで交流があった方にまで迷惑をかけてしまうこともあります。
不特定多数の人が利用するインターネットは、個人情報と名誉を守るためにも、きちんと削除することが大切です。

3.生前整理の必要性

終活でエンディングノートをつけ、遺品をどのように処理してほしいか残しておく人が増えています。死後に遺族が困らないように、そして故人も秘密を守るためにも、生前整理はとても大切です。
デジタル遺品についても、生前整理をしておくべきでしょう。

3-1.データ整理は習慣づけておく

いつ亡くなるか、誰も予測することはできません。事故で突然亡くなってしまうケースもあるでしょう。
見られたくないデータは普段から整理する習慣を持つようにしておくべきです。秘密にしておきたいデータと家族と共有できるデータをファイルわけしておくものおすすめ。開示せずに処分を望む場合は、エンディングノートなどにファイル名を破棄してもらいたいことを書き留めておくようにしてください。
遺族が秘密を知ってショックを受けてしまう心配も減るでしょう。

3-2.パスワードは書き留めておく

使っているアカウントやパスワードは、普段は目に触れられない場所にメモなどを作って保管しておきます。エンディングノートにメモの保管場所を明記しておくといいでしょう。
インターネットバンキングや有価証券などの取り引きについても同様です。故人の死後、アクセスできずに遺族が困ってしまいますので、記録をつけておくとトラブルを防ぐことができます。

4.まとめ

デジタル遺品整理についてご紹介しました。

  • デジタル遺品とは? 
  • デジタル遺品トラブル
  • 生前整理の必要性

スマートフォンやパソコンの普及で、データが遺品として残されるケースが増えています。インターネットバンキングや有価証券などの資産も発見が遅れることがあり、 故人が亡くなって時間が経過してから発見されることも珍しくありません。
故人の意思がわかりにくく、秘密が詰まったデータは、遺族にとっても悩みの種。処理に困ってしまうことも多くあります。
データは生前から整理するようにし、見られたくないものと共有できるものを分別するようにしましょう。エンディングノートを活用し、パスワードを記載したメモの場所を記しておくと、デジタル遺品整理がしやすくなります。