HDDの寿命を知るサインとその解決法を4か条で徹底解説!

HDDに寿命があることはご存じでしょうか? 故障する際に前兆があるときもあれば、ある日突然使えなくなることもあります。「じゃあ天に任せるしかないの?」と首をかしげるでしょうが、常にパソコンの寿命を気にかけて作業をしている方はいないでしょう。知るべきは大体の寿命と故障のサインです。

そこで今回は、HDDの寿命について情報をまとめてみました。HDDの交換方法についても解説しますので必見です。

  1. HDDの寿命について
  2. よくあるHDDの故障とその前兆とは?
  3. HDDの寿命を長持ちさせる方法
  4. HDDの寿命が近いときの対策
  5. HDDの寿命にかかわるよくある質問
  6. まとめ

記事は10分以内に読み終えることができます。HDDの寿命と交換方法についてきちんとわかりますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。かみ砕いて解説しますので、HDDなどにあまり詳しくない方も安心してご覧いただけます。

1.HDDの寿命について

HDDの寿命とはどういうものなのでしょうか? 最初の項では基本情報を押さえておきます。

1-1.寿命の定義

HDDには“ライナー”と呼ばれている潤滑剤が塗られています。ディスクを滞りなく回転させる役目を担い、データの読み書きを円滑に進めるのです。したがって、ライナーがすり減るなどで劣化するとHDDは故障します。HDDのヘッドが磁気の面にぶつかってしまい“ヘッドクラッシュ現象”を引き起こしてしまうのです。HDDにおける寿命とは、このライナーの寿命と定義付けることができます。

1-2.大体の寿命

HDDの寿命はおよそ3~4年といわれています。時間に換算すると“1万時間”です。少しわかりづらいでしょうか? 大体ですが、1日に8時間パソコンを使用すれば、ちょうど3~4年で寿命となります。パソコンを購入するとメーカー保証が付きますが、多くのメーカーでこの期間は3~4年です。もうお気付きだと思います。メーカーもHDDの故障・寿命を想定し補償期間を設定しているのです。

1-3.HDDの種類によって違う?

HDDの寿命は3~4年ですが、近年主流のSSDは5~10年ほど持つといわれています。SSDはHDDよりも耐衝撃性に優れており、通常の使用で故障することはまずありません。ただし、SSDには下記の欠点があります。

  • データの書き換えに制限がある(内部のフラッシュメモリーがパンクします)
  • データの復旧が難しい(HDDを復旧する専門業者でも、SSDだと断る場合もあります)

1-4.寿命に差の出る要因

当然のことですが、「毎日8時間使われたパソコン」と「1日1時間しか使われないパソコン」では寿命に差が出ます。常に電源が入れられたままでは1年以内にHDDも寿命を迎えますが、1日1時間でしたら10年かかっても現役です。もちろん、あくまで目安ですが、使用環境によってHDDの寿命に影響が及ぶのは間違いありません。そのほか、パソコンの構造によっても寿命は異なります。HDDに熱が及びやすい造りをしていれば故障も起こりやすいでしょう。実は、パソコン・HDDともに「当たり」と「はずれ」があるのです。こうした要素は使用してからわかります。だからこそ、安心できる大手メーカー品を選ぶ方もいるのです。

HDDにも寿命があるんですね。
基本的には使えば使うほど寿命が短くなるので、ご自身の使用頻度と照らし合わせて考えましょう。

2.よくあるHDDの故障とその前兆とは?

HDDの寿命が近付いてくると故障の前兆が見られる場合もあります。代表的な具体例も挙げますので、ぜひ見ていただきたい項です。

2-1.こんな症状に注意

HDDの故障は突然起こるケースが多いですが、前兆もあります。「OSが起動しない」というのは末期の症状です。そのほか、エラーが増えたり、データの読み込みが遅くなったりします。こうしたエラーでデータが破損、または消失するとき、HDDの寿命が近い可能性を否定できません。下記の前兆にも気を付けてください。

  • パソコンから“ピコン”という音が鳴る
  • ネットにすぐ接続されない
  • フリーズの回数が増えた
  • 焦げ臭いにおいがする
  • 異常な熱が発生する
  • 処理の速さが遅い
  • 起動が遅い

2-2.HDDが故障するとどうなる?

HDD が故障したとき、パソコンを使い続けるのでしたらHDDの“交換作業”が必要です。けれど、データの残り具合などの状況によって、OSやドライバの再インストールを要する場合があります。また、よくあるケースがデータの紛失です。HDD復旧業者に依頼すれば戻ってくる場合もありますが、完全に消えてしまっていると困難になります。

2-3.残りの寿命のチェック方法

HDDの寿命を確認する方法があることをご存じでしょうか? 専用のソフトを使用すれば、HDDの動作スピードをはじめ、エラーの発生率を調査することができます。無料のソフトもありますので、一度インターネットで検索してみてください。「Crystal Disk Info」などが有名です。お使いのHDDは正常異常かが判然とします。

寿命のサインって意外とたくさんあるんですね。
故障して通常の使用ができなくなることで困ることもあるでしょう。そうなってしまう前に対策が必要です。

3.HDDの寿命を長持ちさせる方法

すでにHDD寿命間近という方も、次にパソコンを購入するときのためと思って見ておきましょう。HDDの寿命を延ばす方法は、弱点を知り、定期的なチェックと対策を取ることです。

3-1.HDDの弱点

HDDの寿命を長持ちさせる秘訣(ひけつ)は弱点を知ることです。ご存じの方も多いでしょうが、熱・衝撃にHDDは耐性がありません。

  • 夏場にエアコンを付けずに使う
  • 冬場に暖房が効いたところで使う
  • 頻繁に持ち運び、車や電車の振動にさらされる

特にノートパソコンは、コンパクトなぶん、熱を排出する機能が強くありません。「コンパクトだから持ち運ぶのに振動に弱いの?」と疑問を抱くでしょうが、精密機器である以上、避けられないことです。

3-2.パソコンの使用中にできる寿命対策

パソコンの電源を入れっぱなしの方も多いでしょう。ですが、通電し続けることは良くないとされます。「電源のオンオフが1番HDDに悪い」ともいわれていますが、冷静に考えてみてください。四六時中稼働し続けていればパソコンには相当の負担がかかります。使わないときは極力電源を落とすようにしましょう。そのほか、パソコンの熱にも注意です。目安として50度を境とし、この温度を超えれば「いつ壊れてもおかしくない状態」と覚えておいてください。使用中はパソコンの熱が上がらないよう環境に配慮する必要があります。

3-3.定期的にチェックする

“S.M.A.R.T.情報”をご存じでしょうか? HDDの状態を、HDD自身が記録した情報です。HDDは今までに生じたさまざまな“エラーの頻度”をはじめ、深刻なエラーだったときの状態を記憶しています。過去最も高かった温度もわかりますから、HDDの寿命を確かめるうえで非常に参考になることはいうまでもありません。ただ、S.M.A.R.T.情報を取得するにはソフトが必要です。気になる方は「HD Tune」と検索してみてください。

長持ちさせる方法もあるんですね。覚えておきます。
そうしてください。長持ちさせる習慣が身につけば、より長く使用できるでしょう。

4.HDDの寿命が近いときの対策

ここまででHDDに寿命が近いと確信した方は、ぜひこの項に書かれた情報を頭に入れておいてください。壊れてからでは遅いです。完全に故障していない今だからこそできることがあります。

4-1.データのバックアップ

前述しましたが、HDDが故障するときに前兆があるとは限りません。そのため、一般的な3~4年という寿命に差しかかったら、定期的なバックアップを欠かさないようにしましょう。簡単なのはUSBメモリー・外付けHDDに保存することです。USBケーブルでつなぐだけですから、初めての方でも扱いやすいでしょう。そのほか、応急処置ですがインターネットのフリーメールにデータを添付して「自分あてに送る」といった方法もあります。

4-2.修理と交換

メーカーの補償期間は基本的に3~4年です。この対象期間中でしたらHDDが故障してもメーカーが対応してくれます。料金が無料かは各メーカーで異なりますが、有料だとしても格安価格です。ただし、あくまでHDDの修理・交換ですので、データまでは保障してくれません。HDDのデータは確実に消えますので、事前のバックアップは忘れないようにしてください。

4-3.データの復旧

依頼するのは、HDDのデータを復旧してくれる専門業者です。唯一HDD内のデータが残る方法でもあります。寿命でHDDの大切なデータが消えてしまったけれど、「なんとしても取り戻したい」という方には頼れる業者です。HDDから情報を復旧させるのは専門的な分野ですので業者は少ないと思われがちですが、日本全国に約数百の業者があります。料金は業者によって異なるため、ぜひ合い見積もりをして依頼しましょう。料金の例を挙げると、HDD・SSDの復旧を約4万円で引き受けているところもあります。

4-4.あきらめて捨てる場合の注意点

自治体によって異なりますが、30cm以内であれば燃えないごみ、外付けHDDなどで30cmを超えてしまうものは粗大ごみです。大切なデータがある方は悩まれるでしょうが、メーカーの補償期間が切れた状態で修理を依頼すると、専門業者・メーカー問わず、結構な料金を請求されます。HDDの修理費・交換費に少し金額を載せれば、新しくパソコンが購入できる可能性もあるのです。ただし、寿命で故障したとはいえ、HDDを処分する際に注意すべきはパソコンの処分方法となります。懸念は「残留したデータ=個人情報」です。パソコンダストではデータの消去はもちろん、不要になったパソコンを無料で回収していますので、よろしければご検討ください。

備えあれば憂いなし、ということですね。
完全に壊れてしまう前に先手を打ちましょう。

5.HDDの寿命にかかわるよくある質問

この項ではインターネットを介して寄せられるお問い合わせ内容をまとめてみました。HDDの寿命についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q.通常の使用で1年ぐらいなら、HDDのデータは絶対に壊れない?
A.HDDが故障する原因に“ウイルス”もあるので絶対とはいえません。感染するとデータの抜き取りをはじめ、HDDのデータを全消去するものもあります。完全に消されてしまうと専門業者でも復旧が難しいです。したがって、HDDのデータを守るためには、寿命を気にかけた使用方法はもちろん、セキュリティー対策も万全にする必要があります。

Q.パソコンダストではどうやって不要なパソコンを回収するのでしょうか?
A.宅配・持込・出張の3種類を用意しています。持込でしたら事前予約不要で引き取り可能です。宅配はお客様に梱包(こんぽう)していただく手間はありますが、全国対応で申し込みも必要ありません。よろしければこちらをご覧ください。

Q.パソコンダストが無料で回収できるわけは?
A.引き取ったパソコンをメンテナンスし、再販しているからです。壊れていてもパソコンにはレアメタルなどの希少金属が多く含まれているため、資源としてリサイクルできます。一定の利益を得ることができるため、無料回収が可能なのです。

Q.故障したHDDにもデータが残っていると思うのですが、消してもらえるのでしょうか?
A.もちろん承ります。パソコンダストでは最新機器を用いてデータの完全消去に努めていますのでご安心ください。データ消去の証明書(税込み1100円)も発行しています。

Q.デフラグについて教えてください。
A.HDD にデータが記録されるとき、実は乱雑に保存されています。この状態では処理速度が劣ってしまうことはいうまでもないでしょう。そこで、思い浮かぶのがデータの整理です。この作業を“デフラグ”といいます。ただ、いくら整理した方が良いとはいえ、デフラグは HDD 全体を使う作業なため、頻繁におこなうのは逆効果です。デフラグがかえってHDDに負担をかけます。数か月に一度で問題ありません。

これで疑問がスッキリしました。
悩みが解決したところで、今後どうするかしっかり考えていきましょう。

6.まとめ

最後まで記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。HDDの寿命についてまとめてきましたが、知りたい情報は得られたでしょうか? HDDは普段目にすることがないので扱いに困ってしまいがちですが、中身はデータを記録する円盤です。ノートパソコンでしたら、日常的にカタカタとキーをたたいている下でディスクが回っていることになります。実は非常にデリケートなものです。寿命を迎えて故障してしまったら、惜しいですが処分するほかありません。本記事の情報を参考に、新しいパソコンの購入を検討するか、HDDの交換をしてはいかがでしょうか?