
【必見】切れた電源コードって修理できるの? 断線の基礎知識を知ろう!
我々の生活に欠かせない家電製品は、欠かせないがゆえに高い頻度で使われ続けます。当然、様々な故障が発生しますが、その中でも多いのが『電源コードが切れた』という故障です。
そこで今回は、断線した電源コードの修理方法について中心にご紹介していきたいと思います。
1.電源コードの危険性を知ろう!
NITE(製品評価技術基盤機構)による製品事故調査によると、過去5年(去年3月時点まで)の間にメーカーから報告されたコード関係の事故は、なんと947件にも及んでいるそうです。このうち、459件で火災に発展し、28人が命を落としています。
電源コードは身近なものですが、時として我々の命を狙う凶器ともなるのです。ですから、まずは電源コードがどのようなときに危険なのかをしっかりと把握しておきましょう。
1-1.断線すると危ない!
電源コードによるトラブルで一番危険なものといえば、『電源コードの断線』です。電源コードが断線すると、多くの場合火花などを散らしてショートしてしまいます。ショートとは、その名のとおり、『電気が本来の道を通らずに近道する現象』です。どのようなものかわかりにくいという方は、海外映画や海外ドラマでよくある『車を盗むシーン』を連想するとよいでしょう。車を盗む際、多くの場合は鍵を持っていないので、車の中で配線をいじってバチバチと火花を立たせてエンジンをつけますよね。あれがショートです。
ショートを起こすと電気抵抗が非常に小さくなります。すると、結果として意図せぬ大電力が流れることになるのです。電力が大きいといううことは、当然、発熱しやすくなるということ。さらには、火花なども飛ぶので発火のリスクが高まるのです。
そして、そんなショートが発生しやすい状態こそ『断線』といわれています。断線すると電気は本来の道を通れません。そのため、断線した部分でショートを起こしやすくなるのです。
1-2.熱を持つと危ない!
発火の原因はショートだけではありません。単純に、コードが熱を持ちすぎることで発火するケースもあります。
コードが熱を持つ大きな原因は、主に『悪い使用状態』です。様々なパターンが考えられますが、一番多いのは複数の電源コードが絡まっている場合でしょう。特に、大きな熱を発しやすいアダプターが、絡まったコードの中に含まれていると危険です。
また、ホコリも大きな原因の一つ。当たり前のことですが、ホコリは綿状をしているので熱をため込みやすい性質があります。そのため、コードが通っている位置にホコリがたまっていると発熱しやすくなるでしょう。
ほかにも、非常に発熱しやすいコタツや電気カーペットの中を通っていたり、表面が熱くなりやすい冷蔵庫の近くに通っていたりするとリスクが高まります。
1-3.プラグにホコリがたまると危ない!
電源プラグにたまったホコリに何らかの影響で水分が付着すると、電気がその水分の方へと流れて漏電。結果として、発火してしまいます。この現象は『トラッキング現象』と呼ばれるものです。
トラッキング現象のやっかいな点は、コンセントにプラグが差し込まれてさえいれば、いつでも発生するリスクがあるというところ。つまり、家電製品の電源を切っていても、条件さえそろえば発生してしまいます。しっかりと家中の電気を消したことを確認して外出しても、知らぬ間に火事となることもあり得るということですね。
とはいえ、家中の電源プラグをいちいち抜き差しするわけにもいきません。特に、冷蔵庫は中の食材が傷んでしまうので、電源を落とすのは難しいですよね。しかも、冷蔵庫はキッチンに置かれていますから、何かの拍子に水分が付着するリスクも高いでしょう。十分に注意が必要な箇所ですね。
対処法としては、電源コードをトラッキング現象の対策がなされたものと交換するか、トラッキング現象の防止用カバーを取り付ける方法があげられるでしょう。
もちろん、定期的に掃除してあげることが何より大切ですよ。3か月に1回でもいいので、しっかりと掃除をしておきましょう。
2.電源コードの修理方法は?
電源コードは自分で修理することも可能です。必要な道具をそろえ、適切な手順で行えば元通りになるでしょう。
2-1.必要な道具とは?
- フリープラグ
- ニッパー
- カッター
- ハサミ
- プラスドライバー
最低限必要なのは以上の4つです。場合によってはハンダとハンダごてが必要な場合もありますので、ついでにそろえておくとよいでしょう。
2-2.フリープラグで修理する
修理する際には、まず、感電の恐れがあるので必ずコンセントから電源コードを抜いておきましょう。実際の修理は、特に難しいことはありません。
- 断線している箇所をハサミでカットします。
- カットした箇所のビニール皮膜をカッターで2cmほど切り取り、導線をむき出しにします。この際、中の導線まで切らないように注意しましょう。
- 導線をねじってひとまとめにします。
- 最後にフリープラグを取り付けて完了です。
詳しい取り付け方法はフリープラグによって少し変わってきます。説明書を見ながら取り付けてみてください。
2-3.ハンダごてを使った応急処置
フリープラグに交換したくてもできないことがあります。本体につながっている根元の部分が断線してしまうと、本体との距離が近すぎて交換できません。できたとしても、コードとは名ばかりの短い電源コードとなってしまい、実用性に欠けます。
そんなときには、ハンダで断線部分をつなぐことで補修することが可能です。ハンダとは鉛とスズを主成分にした合金で、金属同士を接合する際に使われます。
- ハンダごてを電源に入れて熱する。
- 熱している間に、断線部分のビニール皮膜を切り取る。この際、中の導線が切れないように細心の注意を払いましょう。
- ハンダごてでハンダを溶かしながら、断線している箇所にハンダをつける。
- 十分にハンダがついたことを確認したら、ハンダが冷めるまで1分ほど放置します。
- 絶縁テープをむき出しになっている部分に巻き付けて完了です。
この修理方法は、あくまでも一時的なものでしかありません。なぜなら、無理やりつなげているような状態だからです。ハンダでつなげた箇所は弱くなりますし、局所的に電気抵抗も高まります。発熱もしやすくなるでしょう。
電源とは関係のないイヤホンのコードなどなら問題がなくても、電源コードの場合、長期的には問題があります。新しい製品を買い換えるまでの一時的な修理と割り切りましょう。
2-4.修理を依頼する
自分ではどうしようもない場合は、修理に依頼するのも一つの手です。修理に依頼すれば、自分でやるよりも信頼性は高いでしょう。修理費用はものによって変わりますが、小型家電程度なら2,000円~5,000円程度が相場です。
まとめ
今回は電源コードが切れた際の修理方法について中心にご紹介しました。
- 電源コードの危険性を知ろう!
- 電源コードの修理方法とは?
電源コードの断線を放置しておくと非常に危険。後悔してからでは遅いのです。今回の記事を参考に、しっかりと修理しておくようにしましょう。
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