
生前整理のやり方で覚えておきたい3つのポイント
生前整理に明るいイメージをなかなか持てないということはありませんか?終活準備を始める必要はわかっていても、どこから手をつければいよいのかわからないこともあります。前向きな思いでひとつずつ行える「生前整理のやり方」をここでご紹介しましょう。
1.生前整理の進め方
1-1.明るい気持ちを忘れずに
終活準備や生前整理にあまりよい印象を持てない方もおられるようです。確かに自分の人生の終点に目を向けるのは気の進むことではありません。しかし、生前整理は「自分の人生をほめるための時間」でもあるのです。自分のモノや情報を整理するときに、「よくがんばってきた」自分をほめる時間にしましょう。生前整理は自分のためだけではありません。大切な人が将来困らないようにするための準備でもあるのです。新しい人生に目を向けるための終活と考えるならば、明るい気持ちを持ちながら生前整理ができるでしょう。
1-2.思わぬ危険があることも
モノの整理には踏み台を使ったり、重いモノを引き出したりすることがつきものです。ちょっとしたスキに事故の危険があることを忘れないようにしましょう。大切な人のためと思って始めた生前整理も、ケガをして迷惑をかけては、本末転倒です。一緒に思い出を振り返ってもらう機会にもできるでしょう。すべてを自分ひとりで行わなければいけないわけではありません。ときには誰かの協力をあおぐことも大切です。
1-3.自分のペースで着実に
生前整理はすぐにできるものではありません。ひとつひとつを着実に片付けていきましょう。大切なのは、後回しにしないこと、そして完璧にしようとしないことです。一度にたくさんの時間をかけると疲れてしまい、次回にまた行う気力が出なくなってしまいます。自分のペースを保ちながら、ときには思い出を振り返るのを楽しみながら少しずつ片付けていきましょう。
2.生前整理での不用品の処分方法
2-1.まずはモノを整理しよう
生前整理で一番大きな作業で、かつ最初に行う作業はモノを整理することです。押し入れにたくさんモノがあるならば、やらなければいけないことに圧倒されますか?しかし、後回しにしてはいけません。とにかく作業に手をつけていきましょう。まずは箱を3つ用意してください。それぞれの箱に「使うモノ」と「使わないモノ」、そして「保留」のラベルを貼ります。すべてのモノをこのどれかの箱に入れていきましょう。「使わないモノ」は処分します。「保留」とは、処分するかどうか迷うモノです。半年や1年ほどたっても「保留」の箱にずっと収まっているモノは思いきって処分しましょう。
2-2.不用品の処分方法
生前整理で処分するモノが少ないなら、いま一度整理方法の見直しが必要です。「使えるモノ」と「使うモノ」は違います。「まだ使えるモノ」でも「使わないモノ」であれば思いきって処分してください。どうしても取っておきたい思い出の品を数個にとどめましょう。とはいえ、誰かからもらった思い出の品は処分しにくいものです。そのようなときは、思い出の品を写真に撮り、しっかりと「思い出」に残して、モノ自体は処分することもできるでしょう。モノを処分することは思い出を忘れることではありません。
2-3.前向きな処分も考えよう
「使わないモノ」の処分方法として一番手っ取り早いのは廃棄してしまうことです。とはいえ、中にはまだまだ使えるモノもあるでしょう。そのようなモノはリサイクルショップで売却するのもひとつの方法です。量が多ければ、自宅まで取りに来てくれるリサイクルショップもあります。ただし、どれほどの額で売れるかについては、あまり大きな期待はしないでください。売却額が少額でも、ちょっと外食する程度になれば満足するぐらいの気持ちがちょうどよいでしょう。場合によっては、売るのではなく「誰かにあげる」こともできますが、「絶対に喜んで受け取ってくれる」と確信できるモノ以外は、誰かにあげることは控えるのが賢い選択です。
3.モノ以外の生前整理
3-1.財産の生前整理のやり方
モノを整理するときに出てきた財産に関する重要書類はしっかりとひとつの場所にまとめておきましょう。車、土地、家屋、預貯金、有価証券などの所有権を証明する書類はわかりやすくまとめておきます。ただし、第3者の悪用を防ぐため、印鑑証明の印鑑は一緒に保管しないようにしてください。相続が始まったときには印鑑証明の印鑑はなくても、相続者は財産を処理できます。やはり財産の生前整理で一番よいのは、しっかりと遺書を書いてくことです。家族に混乱を招かないためにも、しっかりと財産の処分方法の意思を書き留めておきましょう。
3-2.情報の生前整理のやり方
終活準備で整理する情報には、葬式についての希望など家族に伝えておきたい情報の整理も含まれます。そのような情報を「エンディングノート」として家族に伝えるために書き留めておきましょう。「エンディングノート」は遺書とは違って、法的な効力を持つ文書ではありません。しかし、その分自由に情報を伝えることができるので便利です。また、情報を生前整理することのひとつとして、秘密の情報を整理しておくことも忘れないようにしましょう。たとえばためておいた手紙やパソコンの中のメールにそのような「情報」がありませんか。自分の胸だけにとどめておきたい情報やプライバシーにかかわる情報は、どこかにもれることがないようにきちんと消去しておきましょう。
3-3.生き方の生前整理のやり方
生前整理は人生を振り返ることです。モノや情報を整理していく中で、昔の友人やお世話になった方を思い出すこともあるでしょう。感謝の気持ちや謝罪の気持ちをしっかりと伝えることが「生き方の整理」です。今まで生きてきた証(あか)しを確かめることとも言えるでしょう。同時に、これまでに培った人間関係を大切にして、これからもまだまだ続く新しい生活に目を向けることにもなります。思いも心も持ち物も整理整頓することにより、自分の生き方は「後悔のない人生」であると心から言うことができるようになるはずです。
まとめ
生前整理は、自分の人生を振り返るとてもよい機会と言えます。自分をほめて、助け合ってきた家族や友人への感謝を深める機会したいものです。
そのためにも生前整理として、
- モノの整理
- 財産の整理
- 情報の整理
- 人生の整理
をしっかりと着実に手掛けていきましょう。
無理をせずに、自分のペースで始めてください。気力と体力、そして判断力があるときこそすぐに取り掛かるべきです。大切な人のためにも、自分の人生を後悔のないものにするためにも、きちんとした生前整理のステップを踏むようにしましょう。