
親の家を片付けるのは難しい!成功のために知っておくべき5項目
「親の家を片付けたいが、親が拒否している」「実家の生前整理はいつから始めたらよいのか?」とお悩みではありませんか? 近年、親の家の片付け問題に悩む人が増え続けているのが現状です。親が安心して安全に暮らせる家にするために、そして、親が亡くなった後、遺品整理で大変な思いをせずに済むように、しっかりと片付けておかなければなりません。この記事では、親の家を片付ける重要性や問題点・片付けの手順やコツなどをまとめてご紹介しましょう。
この記事を読むことで、親の家を片付け始めるタイミングや片付けの流れ・業者に依頼する方法などが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.親の家を片付ける必要性や問題点
まずは、親の家を片付ける重要性や難しさ・始めるタイミングなどについてご紹介しましょう。
1-1.老後の安全な暮らしと生前整理のために必要
親の家を片付けることは、とても重要です。まず、親が老後の暮らしを安全に過ごせるように、ものを減らしてすっきりとした部屋にする必要があります。ものがあふれ返った部屋では、つまずいて転倒したり不衛生な状態になったりして安心して暮らすことはできないでしょう。また、生前整理のために家を片付けるケースも少なくありません。親が元気なうちに身の回りを片付けておくことで、亡くなった後、遺品整理の負担を大きく減らすことができるのです。
1-2.親の家の片付けは問題点が多い
親の家の片付けについては、さまざまな問題点にぶつかる人が多いでしょう。特に多い問題点には、以下のようなものがあります。
1-2-1.ものが多すぎる
長年生きてきた親の家には、たくさんのものがあります。高齢者は「もったいない精神」「ものを大切にする精神」が強い人が多いため、不要なものもなかなか捨てられず、取っておいてしまいがちです。また、子供が小さいころの思い出の品などもたくさん残っているでしょう。このように、ものが多すぎて「どこから手をつけてよいのか分からない」という状態になることが、大きな問題点なのです。
1-2-2.親の協力が必要
親の家の片付けには、親の協力が必要不可欠です。すでに巣立った自分たちにとって、実家はもう「親の家」であり、勝手に片付けるわけにはいきません。もちろん手伝う必要はありますが、「何を処分するか」「どこまで片付けをするか」は、親が納得した上で決める必要があるのです。
1-2-3.何度も足を運ばなければならない
親の家を片付けるためには、大変な労力と時間が必要です。もちろん1日で済むようなものではないため、何度も足を運んで片付けを進めていかなければなりません。「遠方に住んでいる」「仕事が忙しい」などの理由で、足を運ぶのが難しい人も多いでしょう。
1-3.生活が変化するタイミングで片付けを
親の家を片付けるタイミングとしては、生活が変化するときをきっかけにするのがおすすめです。たとえば、親の定年や子供の独立・引っ越しなど、大きく生活が変わるときであれば、親も片付けをする気持ちになりやすいでしょう。そういったタイミングで片付けを持ちかけてみると、スムーズにいきやすいはずです。
2.親の家を片付ける前にやるべきこと
親の家を片付ける前に、いくつかやっておくべきことがあります。
2-1.価値観の違いを理解しておく
まずは、自分自身と親の価値観が違うということをきちんと理解しておきましょう。ゴミやいらないもののように見えるものでも、親にとっては大切なものである可能性もあります。高齢者のものに対する価値観は、ものがあふれている今の時代とは違うのです。親の価値観を否定し、自分の価値観を押しつけることはしてはいけません。
2-2.親を説得する
親が家を片付けることに納得していない場合は、片付けが必要な理由をしっかり説明しましょう。親が納得していないのに勝手に片付けを始めてトラブルになってしまったケースも少なくありません。頭ごなしに片付けを強要するのではなく、「なぜ片付けが必要なのか」を丁寧に説明してください。説明する際は、以下のことを伝えるとよいでしょう。できるだけネガティブな発言は避け、親の価値観をけなすようないい方はしないよう気をつけてください。
- ものが多いと足元が危険なこと
- 災害の際に下敷きになる可能性があること
- ものがどこにあるか把握しておくと安心なこと
2-3.目標を決めておく
親の家を片付ける際は、ある程度の目標を決めておきましょう。片付けている間も片付けた後も、親はその家で暮らしています。「何をどこまで片付けたら終わり」というように目標を決めておかなければ、永遠に片付けが続くことになってしまうでしょう。そうなると片付けるモチベーションも下がってしまいます。いつまでに、どの程度まで片付けを終わらせるのか決めておけば、目標に向かって頑張れるはずです。
3.親の家を片付ける方法は?
親の家を片付ける具体的な方法や手順についてまとめました。
3-1.片付けの基本的な手順は?
親の家を片付ける際の基本的な手順は、以下のとおりです。
- 親の承諾を得る
- 家の中にあるものを把握する
- 必要なものと不要なものに仕分けする
- 不要なものを処分する
- 残すものを片付ける
3-2.生前整理は親とコミュニケーションを取りながら
生前整理として親の家を片付ける場合は、親ができるだけ元気なうちに、コミュニケーションを取りながら進めていきましょう。親の気持ちを尊重しながら、一緒に協力していく必要があります。1つ1つ、処分してもよいものかを親に確認し、処分方法を考えていきましょう。生前整理は、親が今後の生活を暮らしやすくするために行うものでもあります。あくまでも親が主役ということを忘れず、無理にものを捨てさせるようなことはしない方がよいでしょう。
3-3.遺品整理は業者に依頼する方法もおすすめ
遺品整理として親の家を片付ける場合、片付けなければならないものが大量にあります。家の中にあるほとんどのものを処分する必要があるため、「自分で片付けるのは難しい」という人も多いでしょう。そこで、近年は遺品整理業者に依頼するケースも増えてきています。短時間で適切に遺品を整理してもらえるため、労力や時間をかけずに済むのです。また、遺品整理は自分で行い、遺品整理で出た不用品を不用品回収業者に依頼して回収してもらう方法もあります。大量の不用品をまとめて処分できるため、おすすめです。
4.親の家を片付ける際のコツと注意点
親の家を片付けるにあたって知っておくべきコツや注意点をご紹介しましょう。
4-1.片付けのイメージを共有する
親と一緒に家を片付けるにあたって、まずは片付けのイメージを共有することが大切です。たとえば、「とにかくものを処分して減らしたい」「使いやすいように整理したい」など、片付けのイメージにはさまざまなものがあると思います。そのイメージを共有しておかないと行動の食い違いが生じてしまうため、事前にしっかり話し合っておきましょう。
4-2.迷ったものはひとまず「保留」に
捨てるか捨てないか迷ったものは、ひとまず「保留」にして残しておきましょう。特に生前整理や遺品整理では、捨ててしまってから後悔するケースが非常に多いのです。いったん保留にして時間を置くことで、冷静に判断できるようになります。
4-3.親が「捨てたくない」と強く希望したものは捨てない
親が特に強く「捨てたくない」と希望したものは、捨てないようにしましょう。必要のないものに見えても、親にとっては大切なものなのです。無理に捨てるよう強要したり勝手に捨てたりすると、親のモチベーションが下がって片付けを進めるのが難しくなってしまいます。
4-4.使いやすく収納してものが増えるのを防止する
せっかく片付けても、またすぐものが増えて元に戻ってしまっては意味がありません。体力や判断力が低下した高齢者が生活しやすい部屋にするためには、どこに何があるのかを分かりやすくすることが大切です。「生活に必要なものは見える場所に収納する」「収納ケースに中身を書いたラベルを貼る」などすれば、持っているものを把握しやすくなります。そうすることで、ものが増えるのを防止しましょう。
5.親の家の片付けに関するよくある質問
「親の家を片付けたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.親の家の片付けは、どこから始めたらよいですか?
A.キッチンや洗面所など、毎日使う場所から始めるとよいでしょう。片付けた実感がわきやすいため、モチベーションのアップにつながります。
Q.遺品整理をするタイミングはいつでしょうか?
A.決まったタイミングはありませんが、親族が集まる四十九日を機に遺品整理をするケースが多くなっています。賃貸物件の明け渡し期限が迫っていれば急ぐ必要がありますが、そうでないなら気持ちが落ち着いてから取りかかってもよいでしょう。
Q.親の家を片付けていたら、捨てるのはもったいないものがたくさん出てきました。どう処分すればよいでしょうか?
A.親族や友人などに譲るか、リサイクルショップなどに売る方法があります。きれいに掃除をして付属品をそろえておけば高額買取してもらえる可能性もあるでしょう。
Q.片付けで出た不用品を回収業者に回収してもらうメリットを教えてください。
A.分別の必要がなくまとめて回収してもらえる・自分に合った回収方法を選べる・自分の都合に合わせて依頼できる、などです。
Q.悪質な不用品回収業者にはどのような特徴がありますか?
A.一般廃棄物収集運搬業の許可を持っていない業者や、事務所の所在地を明らかにしていない業者には十分注意しましょう。特に、トラック1台で地域を回っている業者や、アポなしで訪問勧誘する業者は利用しないことをおすすめします。
まとめ
親の家を片付ける必要性や方法・注意点などをまとめてご紹介しました。親の家の片付けを検討する事情には、さまざまなものがあると思います。しかし、実際に親の家を片付けることは簡単ではなく、きちんと計画を立ててから行う必要があるでしょう。ぜひこの記事を参考にして、片付けに成功してください。