初期化できないパソコンの処分方法|データが残る場合の安全な手放し方

古いパソコンを処分しようとしたものの、初期化の途中でエラーが出たり、パスワードが分からずログインできなかったりすると、そこで作業が止まってしまいます。

「初期化できないまま回収へ出してもよいのか」「写真や個人情報が残っていないか」と不安になるのも無理はありません。

結論からお伝えすると、初期化できないパソコンでも処分できます。ただし、内部にはデータが残っている前提で、データ消去に対応した回収方法を選ぶことが必要です。

残したいデータがある場合は、処分より先にデータの取り出しを考えます。必要なデータがなく、処分だけを進めたい場合は、無理に初期化を繰り返したり、自分でパソコンを壊したりする必要はありません。

この記事では、初期化できない状態ごとの進め方、初期化以外に選べるデータ対策、処分前に確認したいことを解説します。

  1. 初期化できないパソコンも処分できる
  2. 初期化できない状態別の進め方
  3. 必要なデータが残っているときの判断
  4. 初期化以外に選べるデータ対策
  5. 処分前の確認事項と避けたい行動
  6. 初期化できないパソコンを安全に処分する方法

この記事は次のような方におすすめです

  • 初期化できないパソコンの処分方法を知りたい方
  • パソコンの初期化が途中で止まってしまった方
  • パスワードやPINが分からずログインできない方
  • Windowsが起動しないパソコンを処分したい方
  • 電源が入らないパソコンのデータが心配な方
  • データ消去まで対応できる回収方法を探している方

1.初期化できないパソコンも処分できる

パソコンを処分するために、必ず自分で初期化を完了させなければならないわけではありません。

家庭で使用していたパソコンは、メーカーによる回収のほか、小型家電リサイクル法に基づく回収を利用できる場合があります。故障したパソコンや、電源が入らないパソコンを受け付けている回収業者もあります。[2]

ただし、パソコンを回収してもらえることと、内部に保存されているデータが消去されることは、分けて考える必要があります。

初期化できないパソコンを処分するときは、データが残っている前提で回収方法を選びましょう。

動かなくてもデータが消えたとは限らない

写真、書類、メール、ブラウザの履歴などは、パソコン内のHDDやSSDといった記憶装置に保存されています。

Windowsが起動しない、画面が映らない、電源が入らないといった状態でも、記憶装置のデータまで自動的に消えるわけではありません。

パソコン3R推進協会も、パソコン本体が故障していても、ハードディスクが動作する状態であれば、保存されているデータが読み出される可能性があると案内しています。[3]

「壊れているからデータも見られない」と判断せず、回収後にどのようなデータ処理が行われるのか確認してください。

初期化とデータ消去の違い

Windowsの「このPCをリセットする」には、個人用ファイルを残す方法と、個人用ファイル、アプリ、設定を削除する「すべて削除する」という方法があります。

Microsoftでは、パソコンを譲渡、売却、廃棄する場合に「すべて削除する」を利用する方法を案内しています。削除したファイルを復元しにくくするため、ドライブのクリーニングを選ぶこともできます。[1]

一方、データ消去業者では、専用機器による上書き消去、磁気による消去、ハードディスクの物理処理などが行われます。

初期化が完了しない場合は、同じ操作を何度も続けるだけでなく、専用機器を使ったデータ消去へ切り替える方法があります。

初期化に失敗したからといって、パソコンを自宅で保管し続ける必要はありません。残したいデータの有無を確認し、今の状態に合う処理方法を選ぶことが、処分へ進む手がかりになります。

2.初期化できない状態別の進め方

「初期化できない」といっても、パソコンの状態はさまざまです。

パスワードを忘れただけなのか、Windowsが起動しないのか、電源そのものが入らないのかによって、先に確認したいことが変わります。

パスワードやPINが分からない

パソコンは起動するものの、サインイン画面から先へ進めない状態です。

写真や書類を取り出したい場合は、MicrosoftアカウントのパスワードやPINを回復できないか確認します。

処分だけが目的で、残したいデータもない場合は、非公式なパスワード解除ソフトを探し続ける必要はありません。

パスワードが分からない状態でも、データ消去に対応した回収先へパソコン本体を渡す方法があります。

まずは、「残したいデータがあるか」「処分だけを進めたいか」を分けて考えてみましょう。

Windowsが起動しない

電源は入るものの、メーカーのロゴから進まない、青い画面が表示される、再起動を繰り返すといった状態では、通常の設定画面から初期化できません。

Windowsの回復環境を開ければ、修復やリセットを試せる場合があります。

ただし、必要なデータが残っているなら、初期化を進める前にデータの取り出しを検討してください。初期化が進むと、残したかったデータを取り出せなくなる可能性があります。

残したいデータがなく、すでに処分することが決まっているなら、何度も修復を繰り返さず、回収とデータ消去をまとめて依頼する選択肢もあります。

初期化の途中で止まる

初期化が一定の割合から進まない、エラーが表示される、処理後に元の画面へ戻ってしまうこともあります。

Microsoftによると、パソコンのリセット中は、画面が長時間黒くなったり、自動的に再起動したりする場合があります。この途中で手動による再起動を行うと、リセットに失敗する可能性があるため注意が必要です。[1]

処理が止まったように見えても、すぐに電源を切らず、画面の表示やパソコンの動作を確認しましょう。

エラーコードが表示された場合は、番号やメッセージをメモしておくと、メーカーや回収業者へ状態を伝えやすくなります。

処分することが決まっているなら、初期化の完了に時間をかけ続けるより、データ消去に対応した回収方法へ切り替えた方が進めやすい場合もあります。

電源が入らない

電源ボタンを押しても反応がない場合、自分でWindowsの初期化を行うことはできません。

それでも、パソコン内部のHDDなどにデータが残っている可能性はあります。

残したいデータがある場合は、回収へ出す前に、修理店やデータ復旧サービスへ相談してください。

データが不要なら、記憶装置を取り外して手元に残すか、取り付けたままデータ消去に対応した業者へ渡します。

修復を続けるか処分へ切り替えるかは、残したいデータがあるかどうかを基準にすると判断しやすくなります。

3.必要なデータが残っているときの判断

処分を急ぐ前に、パソコンの中に残したいものがないか、一度だけ確認してみましょう。

データ消去やハードディスクの物理処理を行ったあとに、「やはり写真を取り出したい」と思っても、元に戻すことはできません。

残したいデータを書き出す

次のようなデータが残っていないか思い出してみてください。

  • 家族や旅行の写真・動画
  • 仕事や学校で作成した書類
  • 年賀状ソフトの住所録
  • 会計ソフトや家計簿のデータ
  • 保存したメール
  • ブラウザのお気に入り
  • 購入したソフトのライセンス情報

一つでも残したいものがあるなら、初期化やデータ消去を進める前に、修理店やデータ復旧サービスへ相談する方法があります。

相談前には、「写真だけ」「仕事の書類だけ」など、必要なデータを具体的にしておきましょう。

すべてのデータを取り出す必要がない場合は、残したいものを絞ることで相談しやすくなります。

クラウドや別端末も確認する

パソコンを開けなくても、データが別の場所に保存されている場合があります。

  • OneDriveやGoogleドライブなどのクラウドサービス
  • 外付けHDDやSSD
  • USBメモリ
  • 新しいパソコンへ移行済みのフォルダー
  • スマートフォンへ保存した写真や動画

スマートフォンや別のパソコンからクラウドサービスへログインし、必要なデータがそろっているか確認してみましょう。

すでに保存されていることが分かれば、古いパソコンの初期化にこだわらず、処分へ進みやすくなります。

データ復旧を先に行う

データ復旧は、読み出せなくなった情報を取り出すための作業です。

データ消去は、第三者が情報を読み出せない状態にするための作業です。

目的が反対なので、順番を間違えないようにしましょう。

  1. 残したいデータがあるか確認する
  2. 必要ならデータ復旧や取り出しを依頼する
  3. 必要なデータがそろったことを確認する
  4. データ消去とパソコンの処分へ進む

回収業者は、処分を前提としてパソコンを受け取ります。回収後はデータを返却できないこともあるため、発送や持ち込みの前が最後の確認になります。

必要なデータが少しでも残っているなら、処分より先に取り出す方法を検討しましょう。

4.初期化以外に選べるデータ対策

初期化ができない場合も、データを残したまま無防備に処分する必要はありません。

自分でHDDなどを取り外す方法、データ消去に対応した業者へ任せる方法、メーカーや自治体の回収を利用する方法があります。

HDDなどを取り外して保管する

パソコンの構造が分かる方であれば、HDDなどの記憶装置を取り外し、パソコン本体だけを回収へ出す方法があります。

記憶装置を手元に残しておけば、本体を先に処分できます。

ただし、取り外した記憶装置にはデータが残っています。保管しただけでデータ対策が終わるわけではありません。

あとから専用ソフトで消去する、記憶装置単体で回収へ出す、専門業者へ処理を依頼するといった対応が必要です。

薄型のノートパソコンには、記憶装置を簡単に取り外せない機種もあります。分解方法が分からない場合は、無理にカバーを開けないようにしましょう。

データ消去に対応した業者へ任せる

自分で初期化や分解ができない場合は、パソコン本体をそのまま受け取り、内部のデータ処理まで行う業者を選びます。

申し込み前には、次の項目を確認してください。

  • 起動しないパソコンも回収できるか
  • 初期化していない状態でも受け付けてもらえるか
  • どのような方法でデータを処理するか
  • データ消去に別料金がかかるか
  • データ消去証明書を発行できるか
  • 回収後にデータを返却できるか

「無料回収」と書かれていても、データ消去まで含まれているとは限りません。

回収にかかる料金だけでなく、保存されている情報がどのように扱われるのかまで確認しておくと安心です。

メーカーや自治体の回収を確認する

使用済みパソコンは、資源有効利用促進法に基づき、メーカーが回収・リサイクルする仕組みになっています。

家庭で使用していたパソコンは、小型家電リサイクル法に基づく回収を利用できる場合もあります。[2]

ただし、経済産業省は、パソコン内に保存されているデータについて、利用者自身の責任で消去する必要があると案内しています。[2]

メーカーや自治体の回収を利用するときも、データ消去を誰が行うのか確認してください。

自分で初期化できない場合は、データ消去に対応した回収業者へ相談する方法もあります。

初期化ができなくても、記憶装置を手元に残す方法と、データ消去ごと任せる方法から選べます。

5.処分前の確認事項と避けたい行動

初期化できないパソコンを回収へ出す前に、確認できる範囲で状態を整理しておきましょう。

すべてを自分で調べる必要はありません。分かることだけでもメモしておくと、回収先へ相談しやすくなります。

回収前の確認リスト

回収へ出す前に、次の項目を確認します。

  • 残したい写真や書類がないか
  • クラウドや外付け機器にバックアップがあるか
  • パソコンのメーカー名と型番
  • 電源が入るか
  • どの画面で止まるか
  • 表示されたエラーコード
  • HDDなどを取り外しているか
  • USBメモリやSDカードが挿さったままになっていないか
  • 回収対象と送料の条件
  • データ消去方法と証明書の有無

すべて確認できなくても問題ありません。

パソコンの状態が分からない場合は、「電源ボタンを押しても反応しない」「初期化が50%で止まった」など、見たままの状態を伝えましょう。

自己流で破壊しない

データが心配だからといって、パソコン本体をハンマーでたたいたり、HDDへ自己流で穴を開けたりする方法は避けてください。

部品の破片でけがをする可能性があるほか、壊した場所によっては、記録部分を十分に処理できないことも考えられます。

ノートパソコンにはバッテリーが内蔵されています。本体ごと強い衝撃を加えると、発熱や発火につながるおそれもあります。

分解に慣れていない場合は、初期化できない状態をそのまま伝え、記憶装置の取り外しや処理を任せる方が落ち着いて進められます。

初期化を何度も繰り返さない

一度失敗すると、「もう一度行えば成功するかもしれない」と初期化を繰り返したくなるかもしれません。

残したいデータがある場合は、操作を続ける前に一度止まりましょう。初期化が進めば、必要なデータを取り出せなくなる可能性があります。

処分だけが目的なら、初期化の成功に時間をかけ続けず、専用機器によるデータ消去へ切り替える判断もできます。

回収後の処理を確認する

回収箱へ入れるサービスや、不用品をまとめて引き取るサービスでは、パソコン内のデータがどのように扱われるか分からない場合があります。

申し込み前に、データ消去の方法について説明があるか確認しましょう。

分からない場合は、パソコンの状態と初期化できていないことを伝え、データ消去まで対応できるか問い合わせてください。

すべてを自分で解決しようとせず、分かっている状態を回収先へ正確に伝えることが、安全な処分への近道です。

6.初期化できないパソコンを安全に処分する方法

パソコンダストでは、デスクトップパソコンとノートパソコンを、動作や年式を問わず回収しています。

電源が入らない場合や、Windowsを初期化できない状態でも回収対象です。

お預かりしたパソコンやスマートフォン、タブレットの内部情報は、内容を確認せずにデータ消去を行います。

3種類の専用機器によるデータ処理

パソコンダストでは、ハードディスクの処理に次の専用機器を使用しています。

  • 論理的ハードディスク消去機:Demi XG3031
  • 物理的ハードディスク破壊機:CrushBox DB-30ProⅢ
  • 磁気データ消去装置:ERAZER PRO-L10

Demi XG3031は、ハードディスクへデータを上書きする論理消去に使用します。

リユースに向かない古いHDDや、故障したHDDには、物理的な処理を行います。

CrushBox DB-30ProⅢは、約3トンの油圧と4本のピンでHDDへ加圧し、データを読み取れない状態にする機器です。

磁気による処理には、ERAZER PRO-L10を使用しています。

初期化できない状態でも、専用機器によるデータ処理へ進めるため、パスワードの解除やWindowsの起動にこだわり続ける必要はありません。

ただし、回収後に消去したデータをお返しすることはできません。写真や書類などを残したい場合は、発送や持ち込みの前にバックアップやデータ復旧を済ませてください。

パソコンダストのデータ消去について確認する

データ消去証明書の発行

データ消去を行った記録が必要な方には、有料オプションでデータ消去証明書を発行しています。

証明書には、データ消去を行った作業日、消去方法、HDDの型番、シリアル番号を記載します。

物理破壊後の写真を付けた証明書も選択できます。

証明書を希望する場合は、専用の依頼書を機器ごとに用意し、対象品へ貼り付けてお申し込みください。

通常は、商品到着後2週間から1か月程度で郵送します。繁忙期には、通常より時間がかかる場合があります。

証明書の料金や申し込み方法は、発送前にデータ消去ページで確認してください。

宅配回収と持ち込み回収

初期化できないパソコンは、宅配回収または持ち込み回収で処分できます。

宅配回収では、パソコンを段ボールへ梱包して発送します。着払いを利用できる品目や箱の大きさ、重量、配送方法には条件があるため、発送前に最新の案内をご確認ください。

近くにお住まいの場合は、持ち込み回収も利用できます。

デスクトップパソコンなど、箱に入れにくい機種を自分で運べる場合は、持ち込み回収も選択肢になります。

初期化できなくても処分へ進める

初期化できない状態は、パソコンを処分できない状態ではありません。

まずは、残したいデータがあるかを確認します。

必要なデータがあれば、回収より先にデータの取り出しや復旧を検討してください。

残したいデータがない場合は、無理に初期化や分解を繰り返さず、データ消去に対応した回収方法を選びましょう。

パソコンの状態が分からない場合は、メーカー名、型番、電源が入るか、初期化のどこで止まったかを、分かる範囲でお知らせください。

今の状態を整理するだけでも、次に取る行動が見えやすくなります。

初期化できないパソコンについてパソコンダストに相談する

出典