パソコンを捨てる前にやるべきことは? データの消去方法を解説!

パソコンには個人情報やファイル・写真などさまざまなデータが記録されています。それらのデータをきちんと消去せずに処分してしまうと、外部に流出し悪用される恐れがあるので注意しなければなりません。しかし、どうすればパソコンのデータを消去できるのでしょうか。

そこで、本記事では、パソコンのデータ消去方法など、パソコンを捨てる前にやるべきことを解説します。

  1. パソコンをそのまま捨てることで起こり得る問題
  2. パソコンを捨てる前にやるべきこと
  3. パソコンのデータを消去する方法
  4. パソコンを捨てる方法
  5. パソコンの処分に関してよくある質問

この記事を読むことで、パソコンを処分する方法も分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.パソコンをそのまま捨てることで起こり得る問題

最初に、パソコンをそのまま捨てることで起こり得る問題をチェックしておきましょう。

1-1.パソコンは自治体のゴミとして処分できない

まず、知っておいてほしいのが、パソコンは自治体のゴミとして処分できないことです。誤ってゴミ捨て場に持って行ってしまうと不法投棄とみなされ、罰金が科せられる恐れがあります。また、パソコンの中には銅・鋼・レアメタルなどの貴重な資源が含まれているため、そのまま処分してしまうと環境破壊につながるでしょう。家庭用のノートパソコン・デスクトップパソコン・デスクトップパソコンのモニター類は、PCリサイクル法によってメーカーによる回収とリサイクルが義務づけられています。そのことを忘れずに覚えておいてください。

1-2.個人情報が流出し悪用される危険性

パソコンをそのまま処分してしまうと、個人情報が流出し悪用される危険性があります。普段、あなたはどのようなときにパソコンを使っているでしょうか。ネットショッピングをしたり、ゲームをしたり、動画を見たり……いろいろな作業をパソコンで行っていると思います。そのときのデータがそのままパソコンに残ってしまうため、きちんとデータを消去しておかなければデータが流出することになるでしょう。クレジットカード情報や個人の写真・動画が流出すると悪用されて大変なことになってしまいます。

1-3.社会の信用を失うことも

パソコンをそのまま処分すると、社会の信用を失うことにもなりかねません。会社や仕事で使っているパソコンの中には、顧客情報や機密情報など外部に漏らしてはいけない内容が入っているでしょう。データをきちんと削除していなかったせいでそれらの情報が流れてしまうと、社会の信用を失い、会社が倒産してしまう恐れもゼロではありません。それほど重大な問題に発展してしまう恐れもあるので、絶対にパソコンをそのまま処分しないように気をつけてください。

2.パソコンを捨てる前にやるべきこと

ここでは、パソコンを捨てる前にやるべきことを紹介します。

2-1.データを完全消去する

前述したように、パソコンを処分する前には必ずデータを完全消去しておかなければなりません。「初期化すれば大丈夫」と思っている方が多いのですが、初期化だけでは完全消去はできないので注意してください。初期化は工場出荷前の状態に戻すだけで、データはHDDに残っている状態です。復元ソフトを利用すれば、すぐにデータを復活させることができるでしょう。安心して処分するためにも、初期化ではなくデータを完全消去する必要があります。具体的な消去方法に関しては、後ほど【3.パソコンのデータを消去する方法】で説明するので、ぜひチェックしてください。

2-2.パソコンの状態をチェックする

パソコンの状態を自分でチェックすることも、処分前にやっておきたいことです。必要のないもの=ゴミというイメージがついているかもしれませんが、まだ正常に使えるものは買取に出すことができます。特に、パソコンは中古市場でも需要があるものです。発売されたばかりのパソコンであれば、高価買取がつきやすくなるでしょう。まだ使える状態なのに処分するのはとてももったいないことなので、状態をチェックし売れるようであれば買取に出すことをおすすめします。

2-3.データを移行する

パソコンを処分する前に、そのパソコン内に残っているデータを移行しておかなければなりません。データを完全消去する前にデータ移行の準備をしておきましょう。主なデータの移行方法としては、HDDやSDDなどの外付け記憶デバイスを使う方法があります。マイクロソフトの場合は、Windows転送ツール、アップル社であれば移行アシスタントといったメーカー純正の移行ツールを使うことも可能です。完全消去したデータは二度と元に戻すことはできないので、その点は十分に注意してください。

3.パソコンのデータを消去する方法

それでは、パソコンのデータを消去する方法について解説します。

3-1.ソフトウェア消去

データを消去する方法としては、データ消去ソフトを使用するソフトウェア消去があります。データ消去ソフトを使うことで、無意味なデータを上書きし、元のデータを抹消する方法です。そうすることによって、読み取り不可能な状態になります。ソフトウェア消去の大きなメリットはパソコンを分解しなくてよい点ですが、起動しないパソコンには使えない点がデメリットです。家電量販店などでデータ消去ソフトを購入できるため、チェックしてみてはいかがでしょうか。ソフトをパソコンに入れて起動させるだけで完全消去できます。

3-2.物理破壊

データが入っているHDDを物理的に破壊する方法もあります。データが入っている装置を取り外すことでパソコンに情報を残さず処分できるでしょう。カナヅチやカッターを使ってHDDに傷をつけるだけなので費用がかからない点がメリットです。けれども、取り外すのが困難だったり、分解すると廃棄できなくなったりするデメリットもあります。また、慣れていない人が無理に破壊してしまうと、破片でケガをする恐れがあるので注意してください。

3-3.電磁消去

特殊の装置を使って強磁気でデータを完全消去するのが電磁消去です。一般的に、HDDは内部に磁気信号を書き込むことでデータを記録しています。ここに強い磁力を照射することで磁気信号を破壊するというわけです。電磁消去であれば、起動しないHDDや壊れているパソコンでもデータを完全に消去できます。ただし、専用装置が必要になるため、家庭ではなかなかできない消去方法といえるでしょう。

3-4.専門業者に依頼する方法も

自分でデータを消去するのが不安な方は、専門業者に依頼する方法もあります。たとえば、パソコンの無料回収を行っているパソコンダストでは、データ消去サービスも受付中です。パソコンダストの場合、論理的消去と物理的破壊を組み合わせることで情報漏えいを確実に防ぐことができます。論理的ハードディスク消去機を使ってデータを消去するほか、物理的ハードディスク破壊機を使ってさらにデータを消去する方法です。つまり、2回専用機械でデータを消去することになるため、安心して処分できるでしょう。

4.パソコンを捨てる方法

ここでは、パソコンを捨てる方法について解説します。

4-1.メーカーに回収を依頼する

パソコンの主な処分方法としては、メーカーに回収を依頼することになります。前述したように、パソコンはPCリサイクル法に基づき、自治体回収で処分できません。処分したいパソコンのメーカーに連絡して回収を依頼してください。メーカーによって回収方法やリサイクル料金が異なるため、その点もしっかりと確認しておきましょう。あくまで目安ではありますが、リサイクル料金はパソコン1台あたり約3,300~4,400円です。ただし、PCリサイクルマークがついているパソコンは無料で回収してもらえます。

4-2.家電量販店に依頼する

新しいパソコンに買い換える場合は、購入店に回収を依頼するといいでしょう。ほとんどの家電量販店や販売店では、パソコンの回収を行っています。その場合もPCリサイクルマークがついているものは無料回収してもらえますが、PCリサイクルマークがついていないものはリサイクル料金がかかるでしょう。家電量販店によって費用が異なる可能性もあるため、念のため確認することをおすすめします。

4-3.無料回収業者を利用する

パソコンを処分する方法として、無料回収業者を利用する方法もあります。「無料回収業者に依頼しても大丈夫か?」と不安な気持ちがあるかもしれませんが、無料回収の理由がきちんと記載しているところなら安心して依頼できるでしょう。たとえば、パソコンダストの場合、回収したパソコンを自社でメンテナンスし再販、再販できないものは部品に分解して販売しているので回収にお金がかかりません。依頼者にとっても業者側にとってもメリットのある取り組みを行っています。無料回収業者へ依頼する際は、無料回収の理由がきちんと記載されているかをチェックしてください。

4-4.買取専門店やリサイクルショップに売る

問題なく正常に動くパソコンであれば、買取専門店やリサイクルショップなどで買取に出すことができるでしょう。中古市場の需要を把握している買取専門店なら、価値があるパソコンほど高価買取が期待できます。ただし、査定は厳しめなので発売年月から5年以上経過しているパソコンは買取不可になるかもしれません。その場合は、リサイクルショップに依頼してみるといいでしょう。リサイクルショップは買取専門店よりも査定額は低めですが、買い取ってもらえる可能性があります。

5.パソコンの処分に関してよくある質問

パソコンの処分に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.パソコンが起動しない場合のデータ移行方法は?
A.HDDをパソコンから取り出して、予備のバックアップ用HDDとして保管する方法があります。または、データが不要な場合は工具などで破損させることもできるでしょう。取り出すためにはパソコンを分解する必要があるため、素人では難しい傾向があります。無理に取り出してしまうとデータが破損する恐れもあるので、無理はせず専門業者に依頼するのがおすすめです。

Q.いくらぐらいでパソコンは売れるのか?
A.パソコンのメーカーや型番・状態・発売年月などによって異なりますが、発売当初の約3~5%が査定額になるでしょう。あくまで目安となるため、具体的な査定額が知りたい方は複数の業者に無料査定を依頼してください。複数の業者に査定を依頼することで、最も高値がついた業者に買取が依頼できるでしょう。

Q.高価買取のポイントは?
A.なるべく早く売ることが、パソコンの高価買取ポイントとなります。パソコンは次から次へと新しいモデルが登場しているため、新しいモデルが登場するたびに査定額も下がってしまいやすいのです。そのため、査定も早めに依頼することをおすすめします。また、元箱・購入時についてきたキーボードやマウス・取扱説明書といった付属品も一緒にそろえておきましょう。

Q.パソコンを下取りに出すことはできるのか?
A.販売店によっては下取りサービスを行っているところがあります。下取りサービスが利用できれば、新しく購入するパソコンをお得な値段で購入できるでしょう。けれども、すべての販売店が下取りサービスを行っているとは限りません。また、下取りサービスといっても、5年以内に購入したパソコンなど条件が細かく決められている可能性もあります。

Q.依頼しないほうがいい無料回収業者の特徴は?
A.「今だけ無料で回収しています」「お得に処分が可能です」など、謳(うた)い文句ばかり言ってくる無料回収業者には注意したほうがいいでしょう。特に、スタッフの対応が悪かったり、口コミや評判があまり良くなかったりする業者には要注意です。少しでも不安要素がある場合は、すぐに依頼せず、ほかの回収業者と比較することをおすすめします。

まとめ

パソコンを捨てる前に、必ずデータを完全消去しておかなければなりません。データを完全消去せずに処分してしまうと、パソコン内部のデータが流出し悪用されてしまうからです。実際に、情報流出からクレジットカードが悪用されたという事例も起きているので注意しましょう。自分でデータを消去するのが難しかったり不安だったりする場合は、データ消去サービスを行っている業者に依頼するのも選択肢の1つです。