パソコンの情報漏洩が起こる原因は? 情報漏洩対策や対処法について

パソコンにはさまざまな情報が入っているので、きちんと対策をしておかなければ情報が外部に流出してしまう恐れがあります。けれども、どうすれば情報漏洩対策ができるのか、情報漏洩してしまったときはどうすればいいのかなど、分からずに悩んでいる方は多いでしょう。

そこで、本記事では、パソコンの情報漏洩が起こる原因や対策などを解説します。

  1. パソコンの情報漏洩によるリスク
  2. パソコンの情報漏洩が起こる原因は?
  3. パソコンの情報漏洩対策について
  4. 情報漏洩が起きてしまったときの対策
  5. パソコンの情報漏洩に関してよくある質問

この記事を読むことで、パソコンの情報漏洩対策や起きてしまったときの対処法が分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.パソコンの情報漏洩によるリスク

最初に、パソコンの情報漏洩によるリスクをチェックしておきましょう。

1-1.パソコン内の情報がすべて流出する

きちんとした対策をしていないと、パソコンの情報漏洩によるリスクはかなり高いといえるでしょう。パソコン内部に入っているすべての情報が流出することになるからです。個人で使っているパソコンの場合、電話番号・住所・名前・写真だけでなく、インターネットの履歴やクレジットカード情報など、ありとあらゆる情報が外部に流出してしまいます。会社で使用しているパソコンの場合、一度でも情報漏洩が発生してしまうと、取引先や顧客から信用されなくなるでしょう。損害賠償の請求や慰謝料・補償金の支払いなどが発生するケースもあります。

1-2.思わぬところから漏洩することもある

パソコンによる情報漏洩のリスクは、どこでいつどのように発生するのか分かりません。自分たちで対策をしていたつもりでも、思わぬところから漏洩することもあります。「知らなかった」では済まされないことなので、企業や個人を脅かすさまざまなリスクをしっかりと意識しておかなければなりません。情報漏洩のリスクを抑えるためには、情報が流出してしまう原因を把握することも大切なポイントです。

2.パソコンの情報漏洩が起こる原因は?

それでは、パソコンの情報漏洩はなぜ起きてしまうのでしょうか。主な原因をいくつか紹介します。

2-1.情報の持ち出しや紛失・盗難

パソコンの情報漏洩が起きる原因として、情報の持ち出しがあります。特に、会社で使用しているパソコンを社外へ持ち出す場合は情報漏洩が発生しやすいケースといえるでしょう。実際に、外出先のカフェや飲食店でパソコンを置き忘れてしまい、そこから情報流出につながった事例があります。また、外出先で作業をしているときにFree Wi-Fiを使って、情報が外部に流れたというケースも起きているのです。パソコンの紛失や盗難によって情報漏洩につながる恐れもあるので、十分に注意しておかなければなりません。

2-2.パソコンの残存データから情報漏洩する恐れも

古いパソコンを処分する場合、しっかりとデータを消去していなかったせいで情報漏洩を引き起こしたケースが結構起きています。古いパソコンを処分する場合、データの廃棄はどのようにしているでしょうか。「初期化すれば大丈夫」と思ってしまいがちですが、初期化だけでは復元ソフトを使うとデータが復旧します。専用ツールやソフトを使って、残存データを確実に消去してから処分しなければなりません。

2-3.第三者によるサイバー攻撃

最近、ニュースでもよく聞くのが、第三者によるサイバー攻撃が原因の情報漏洩です。人的ミスによって情報漏洩が起きることもありますが、PCウイルス・不正アクセスなど外部攻撃によって起きることもあります。サイバー攻撃をされると、すべての情報が外部に流出するだけでなく、自分たちのサイバーを使って悪用される恐れもあるのです。特に、企業の場合は、顧客の情報や機密情報を操作されてしまう恐れがあります。第三者によるサイバー攻撃は大きなリスクになるので、きちんと対策を施しておかなければなりません。

3.パソコンの情報漏洩対策について

ここでは、パソコンの情報漏洩対策について詳しく説明します。

3-1.社外での使用をやめる・リモート指示を徹底する

パソコンの情報漏洩対策として、社外での持ち運びや使用をやめるルールを徹底させるのが1番です。たとえ、USBメモリーを使うとしても、紛失すれば情報漏洩につながるので、社外に持ち出すのは厳禁にしておいたほうがいいでしょう。最近は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、自宅で仕事をしている方も多いと思います。その場合は、リモートアクセスを活用するなど、強固なネットワークを構築することが大切です。従業員の意識が低いせいで情報流出される恐れもあるため、従業員のモラルを向上することも重要となります。

3-2.HDDのデータを完全消去してから処分する

前述したように、残存データから情報漏洩につながる恐れがあるため、パソコンを処分する際はHDDに記録されているデータを完全消去することが大切です。消去方法としては、専用ソフトを使った論理的消去法とHDDをカナヅチやカッターで破壊する物理的破壊があります。物理的破壊はHDDのガラスが飛び散ってケガをする恐れがあるため、専用ソフトを使用した論理的消去法がおすすめです。自分で消去するのが怖い方は、データ消去サービスを行っている業者に依頼するといいでしょう。

3-3.システム上におけるセキュリティー強化

PCウイルスやサイバー攻撃といった第三者からの攻撃を防ぐためには、システム上のセキュリティーを強化することが大切です。主なセキュリティー強化としては、以下のようなやり方があります。

  • システムの脆弱(ぜいじゃく)性をチェックする
  • OSのアップデートを定期的に行う
  • セキュリティーソフトを導入する
  • パソコンのパスワード設定を徹底する
  • ファイアーウォールやVPNを活用する

セキュリティー対策は定期的に見直したり、改善したりし続けることが大切です。1つの対策をすれば十分というわけではないため、複数の施策を実施することが効果的といえるでしょう。何重にも対策をするのはもちろん、セキュリティーを常に高めることが情報漏洩のリスク削減につながるのです。

3-4.現状の分析と専門家による対策も

パソコンの情報漏洩対策を効果的に行うためには、現状を分析することが大切です。どのようなリスクがあるのか・どのリスクに対策できていないのかなど、現状をしっかり把握することでリスクの高いものから対策を施せるようになります。きちんと分析を行わなければ、情報漏洩対策をしようと思っても効果が発揮できなくなるからです。また、企業の場合、リスク分析は専門家とともに実施したほうがいいでしょう。専門知識を持っている人に相談することで、自分たちでは見つけられなかったリスクも見つけられ、対策につながります。

4.情報漏洩が起きてしまったときの対策

ここでは、情報漏洩が起きてしまったときの対策を紹介します。

4-1.最優先は二次被害を防ぐこと

情報漏洩が起きてしまった場合、第一優先にしてほしいのは、二次被害を防ぐことです。たとえば、PCウイルスによって情報漏洩が起きてしまった場合、対応が遅くなればなるほど被害がどんどん拡大してしまいます。これ以上、情報を流出させないためにも、素早い対応が必要です。ウイルスに感染したパソコンをネットワークからすぐに隔離したり、攻撃を受けたホームページやWebサービスを閉鎖したりする方法があります。二次被害を防ぐためにできることは何なのか考え、すぐに実行しましょう。

4-2.状況を整理し原因を見つける

二次被害を防いだ後は、すぐさま状況を整理することが大切です。パニックになればなるほど、対応も遅くなってしまうので状況整理を始めましょう。そして、なぜ情報漏洩が起きてしまったのか原因を突き止めることが大切です。原因をしっかりと突き止めなければ、有効な対策ができません。再びパソコンから情報漏洩が起きてしまう恐れがあるため、原因はきちんと見つけましょう。また、ホームページやWebサービスが被害を受けた場合は、どのようなルートで第三者が侵入したのか・何が原因で情報が流出したのか調査してください。

4-3.関係各所への説明も大事

社内や顧客の情報が流出してしまった場合、すぐに対処して、関係各所へ説明を行わなければなりません。情報が流出してしまうとたくさんの人に被害が出てしまうことになります。関係している人たちに、どのような原因があって情報が流出してしまったのか、しっかりと情報説明を行うのが大切です。取引先や顧客に対する事実の説明だけでなく、今どのような状況になっているのか・被害拡大を防ぐためにどのようなことをしているのかも説明する必要があります。また、サイバー攻撃といった犯罪の可能性があれば、警察にも状況を説明して対処してもらったほうがいいでしょう。このように、状況説明をきちんとするかどうかで、顧客や取引先に対する印象も変わります。

5.パソコンの情報漏洩に関してよくある質問

パソコンの情報漏洩に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.組織内部における不正行為を防ぐ方法は?
A.操作制限・すかし印刷・環境復元・シンクライアントという方法があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 操作制限:クライアントPCの操作記録・外部媒体への書き込み抑止・印刷抑止・違反操作を管理者へ通知するなど
  • すかし印刷:注意喚起を促す情報・流出元を追跡する情報をすべて、印刷物に埋め込む
  • 環境復元:1台のPC上にさまざまな環境を構築し、利用したい環境に切り替えての運用が可能
  • シンクライアント:クライアントPCごとに管理していたソフトウェア・データをサーバーに集約。そして、ITリソースの集中化を実現する

Q.低コストで情報漏洩対策を実施する方法はあるのか?
A.必要な機能を1台に統合する方法があります。1台に統合することで構成がシンプルになりますし、導入コストも低減させることができるでしょう。また、管理対処を台に集約し運用することができるため、保守コストの低減につながります。さらに、省スペースや省電力化が可能です。構成が複雑で導入コストが大きいと悩んでいる方は、必要な機能を1台に集約してみてはいかがでしょうか。

Q.テレワークを強化する情報漏洩対策は?
A.社外でのセキュリティー確保が、テレワークを強化する情報漏洩対策となります。特に、重要視すべきなのは、アカウントと端末の管理でしょう。テレワークに誰のパソコン・タブレットが使われているのか正確に把握しておかなければなりません。そして、端末やクラウドサービスなどのログインには、多要素認証を採用するのがおすすめです。多要素認証とは、ID・パスワードの認証に加え、指紋など生体認証・ワンタイムパスワードなど複数の認証を組み合わせることを指しています。

Q.暗号化は情報漏洩対策に有効なのか?
A.個人情報保保護対策の負荷軽減という意味では、暗号化はとても有効といえるでしょう。各省庁で定めている個人情報に関するガイドラインでは、暗号化が講じられています。HDDを使用する場合に暗号化製品を選んだり、サーバーの暗号化をしたりするなど、さまざまなところで対策を講じましょう。

Q.業者によるデータ消去はお金がかかるのか?
A.業者の中には、無料でパソコンのデータ消去サービスを行っているところがあります。たとえば、パソコン・不用品の無料回収を行っているパソコンダストでは、無料のデータ消去が可能です。論理的消去と物理的破壊を組み合わせることで、情報漏洩を完全に防ぐことができます。データ消去サービスは無料で行っていますが、消去証明書を発行する場合は手数料として2,200円かかるのでご注意ください。なお、HDD物理破壊写真付きの場合は3,400円かかります。

まとめ

パソコンの情報漏洩が起きる原因としては、情報を社外へ持ち出したり、残存データから復元されたり、第三者によるサイバー攻撃だったりとさまざまです。これらのリスクをできるだけ少なくするためには、セキュリティーを強化するなど対策を徹底しておかなければなりません。いつどこで情報漏洩が起きるか分からないからこそ、現在の状況を踏まえた上で、リスクの高い順から対策を施すことが大切です。